美ヶ原について

概要


長野県のほぼ中央に位置し、県下最大級の国定公園(39,857ha)の一部を成しています。
標高2034mの頂をもつ美ヶ原最高峰「王ヶ頭」を筆頭に、山上は平坦な台地状で、松本市、上田市、長和町にまたがり、王ヶ鼻(2,008m)、茶臼山(2,006m)、牛伏山(1,990m)、鹿伏山(1,977m)、武石峰(1,973m)のピークを含めて標高2000m付近に広がる一帯を「美ヶ原高原」と呼んでいます。
山上は「美ヶ原牧場」と呼ばれる牛の放牧地となっており、短距離から遠距離までバラエティに富んだ高原トッレッキングができるコースも整備されています。
山頂には長野県の各テレビ・ラジオの送信所のほか、防災行政無線などの中継所など、多数のアンテナ群が建てられています。

美ヶ原高原という呼称は、先に記載したいくつかのピークを含む台地のことを総称しています。記録では江戸中期、「信府統記」に「美ヶ原」の記述が見られ、大正時代ごろから「美ヶ原」と広く呼ばれはじめたと思われます。

この一帯はフォッサマグナ(中央地溝帯)の西端にあたり、古代の火山活動によって生まれたとされています。
縄文前期には比較的温暖な気候だったため、縄文人の生活圏だったと言われており、平安〜鎌倉時代においては朝廷専用の牧場である「勅旨牧(てしまき)」であったとの伝承があります。このころから美ヶ原高原は牧場として使われてきたようです。
江戸期には王ヶ鼻から望む御岳山を拝む御岳信仰の講社に人々が集まるようになり、王ヶ鼻神社と呼ばれるようになりました。
今のような牧場として使われはじめたのは明治後期です。大正時代には小泉秀雄氏による植物研究が進められ、学術的価値の高さからも保護活動が始まりました。
昭和初期に山本俊一氏によって山小屋・登山道が整備され、戦後、ビーナスラインの開通により訪れる人の数がぐっと多くなりました。
山頂アンテナ群が整備されたのもこのころで、昭和32年に電電公社〈現NTT〉とNHKのアンテナが建ち、王ヶ頭まで国鉄バスが乗り入れました。

自然公園として


昭和27年3月3日に第二次県立公園区域指定で美ヶ原周辺が指定され、昭和39年6月1日、蓼科八ヶ岳・霧ヶ峰県立公園と美ヶ原塩尻峠県立公園を含む一帯が「八ヶ岳中信高原国定公園」に指定されています。

自然保護について



  • ペット同伴についてご注意下さい。
    • ペットの臭い・鳴き声によってライチョウなど高山生息の野生動物の繁殖を妨げる場合があります。また糞尿の放置による未知の細菌等による野生動物・野生植物への影響が懸念されます。

    • 登山者の往来が頻繁な場所、登山道が狭い場合では、ペットを避けるために登山道からはずれてしまうこともあり、貴重な高山植物を踏み荒らしてしまう危険性があります。

    • ペットを放つと、野生動物を追い回したり、野生植物を踏み荒らす可能性もあります。必ずリードなどで繋ぎ、リードは短めに、常に離さないで歩くようにして下さい。





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プロフィール
美ヶ原観光連盟
美ヶ原観光連盟

美ヶ原高原がまたがる3つの自治体(松本市・上田市・長和町)と関係する事業者が協力し、施設の運営や地域PRに取り組んでいる団体です。昭和35年設立。